この区分について
どの取引にも共通して入れる、基本の条項です。合意は書面で行うこと、売主の履行事項(測量・解体・登記など)が期日までに終わらなかったときの協議・延長・解除、引渡し前の現地確認、重要事項説明書の確認を前提に買い受けること、などを定めます。個別の特約が増えるほど、「できなかったときの扱い」を条項ごとに書き散らしがちですが、ここで一度に決めておくと、内容の食い違いを防げます。
- 文中の●は、実際の取引に合わせて書き入れる空欄です。〔 〕は、ツールで入力した期間などが入る箇所です。
- 「特約」は契約書に書く約束事、「重要事項説明書の記載文」は説明書に書く確認事です。同じ内容を両方に重ねて書かないのが基本です。
- 文体は「しっかり(硬め)」を先に、「やさしめ(簡潔)」は折りたたんで載せています。内容は同じです。
A-01合意は書面で行う
ツールでの選び方:常時(すべての取引)
売主および買主は、本契約に関する合意および約束は書面によって行うものとし、書面によらない口頭の合意はその効力を有しないことを相互に確認します。
やさしめの文体で読む
売主と買主の約束ごとは、すべて書面で取り交わします。口頭だけの約束は無効とします。
実務の留意点:追加の約束・サービス・口頭での「やっておきます」を防ぐための基本条項。
A-02履行事項が完了しない場合の協議・延長・解除
ツールでの選び方:常時(すべての取引)
(1)売主および買主は、本契約または本特約に基づき残代金支払日(別途期日を定めた事項はその期日)までに履行すべき事項(測量図・境界確認書の交付、越境の解消、建物等の解体撤去、残置物の撤去、登記、承諾書・覚書の取得等をいい、融資利用の特約に関する事項は含みません。以下「履行事項」といいます。)について、期日までに完了しないおそれが生じたときは、直ちに相手方へその旨を通知し、期日の延長その他の対応について誠実に協議するものとします。 (2)売主および買主は、前項の協議の結果、書面による合意により、履行事項の期日および残代金支払日を延長することができます。前項の通知の日から〔協議期間〕日間(以下「協議期間」といいます。)および延長後の期日が到来するまでの間は、売主および買主のいずれも、当該履行事項が未了であることを理由として、本契約の解除または違約金の請求を行わないものとします。 (3)協議期間内に前項の合意が成立しないとき、または延長後の期日までに履行事項が完了しないときは、売主および買主は、相手方に書面で通知することにより本契約を解除することができます。この場合において、履行事項の未了が、隣接地所有者・官公署その他の第三者の事情、天災地変その他履行すべき当事者の責めに帰することができない事由によるときは、売主は受領済みの金員を無利息で速やかに買主に返還し、売主および買主は相互に違約金その他の損害賠償を請求しないものとします。上記以外の事由によるときは、第●条(契約違反による解除・違約金)の定めに従うものとします。
やさしめの文体で読む
(1)残代金支払日(期日を別に決めたものはその期日)までに行うこと(測量図・境界確認書の交付、越境の解消、解体、残置物の撤去、登記、承諾書・覚書の取得など。融資の特約に関することは除きます。以下「履行事項」)が間に合わないおそれが出たときは、すぐに相手方へ知らせ、期日の延長などを話し合います。 (2)話し合いがまとまれば、書面で合意して、履行事項の期日と残代金支払日を延ばすことができます。通知の日から〔協議期間〕日間(以下「協議期間」)と、延ばした期日までの間は、履行事項が終わっていないことを理由に、契約の解除や違約金の請求はしません。 (3)協議期間内に合意できないとき、または延ばした期日までに履行事項が終わらないときは、売主・買主とも書面で通知して契約を解除できます。終わらなかった原因が、隣地の所有者や役所など第三者の事情、天災など、行うべき側の責任ではないときは、売主は受け取ったお金を利息なしですぐに買主へ返し、お互いに違約金や損害賠償は請求しません。それ以外の原因のときは、第●条(契約違反による解除・違約金)によります。
残代金支払日までに履行すべき事項(測量、越境の解消、解体撤去、残置物の撤去等)が期日までに完了しない場合の協議、期日の延長および解除の取扱いについては、売買契約書の特約「履行事項が完了しない場合の協議・延長・解除」に定めるとおりです。
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引渡しまでに行うこと(測量、越境の解消、解体、残置物の撤去など)が期日に間に合わない場合の扱い(話し合い・延長・解除)は、売買契約書の特約「履行事項が完了しない場合の協議・延長・解除」のとおりです。
実務の留意点:個別の特約ごとに「できなかったら解除」を付けず、この1条で包括する。延長するときは必ず変更合意書を作成し、融資特約の期日・手付解除期日も見直す。
A-03引渡し前の現地立会い確認
ツールでの選び方:常時(すべての取引)
売主および買主は、残代金支払日の前日までに本物件の現地において立ち会い、境界標の有無、越境の解消状況、建物等の解体撤去および残置物の撤去状況、付帯設備の状況、その他本契約に定める引渡し条件の履行状況を確認するものとします。未了の事項があるときは、本特約中の履行事項が完了しない場合の協議に関する定めによるものとします。
やさしめの文体で読む
売主と買主は、残代金支払日の前日までに現地で立ち会い、境界標、越境の解消、解体・残置物撤去の状況、付帯設備など、引渡しの条件が守られているかを一緒に確認します。終わっていないことがあれば、本特約の「履行事項が完了しない場合」の定めによります。
実務の留意点:「越境が残っている」「残置物が残っている」を決済当日に発見しないための条項。結果は「決済前確認リスト」に記録。
決済前の確認:引渡し前の現地立会い確認(担当:売主・買主/時期:残代金支払日の前日まで/確認の資料:立会い記録・現地写真)
A-04重説の確認・容認事項を前提に買い受ける
ツールでの選び方:常時(すべての取引)
買主は、別添重要事項説明書の備考欄に記載された確認事項および容認事項(本物件の現況、周辺環境、法令上の制限が将来変更される可能性等を含みます。)について説明を受け、その内容を確認し容認したうえで、本物件を買い受けるものとします。
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買主は、重要事項説明書の備考欄に書かれた確認事項・容認事項(物件の現況、周辺環境、法令の制限が将来変わる可能性など)の説明を受け、内容を確認・了承したうえで本物件を購入します。
実務の留意点:確認事(重説)と約束事(特約)を分けるための橋渡し条項。これがあるので、容認事項は重説だけに書けば足りる。
A-05地盤調査・地盤改良
ツールでの選び方:「物件種別」=土地(更地)/土地(古家あり)
本物件に建物を建築する際、建築を依頼する住宅会社等から地盤調査(地耐力調査)を求められることがあり、その結果によっては地盤補強工事等が必要となる場合があります。地盤補強工事等の要否および内容は、建築する建物の構造・規模・重量や依頼する住宅会社等により異なります。地盤調査および地盤補強工事等に要する費用は、買主の負担となります。
やさしめの文体で読む
本物件に建物を建てるとき、住宅会社から地盤調査を求められることがあり、結果によっては地盤補強工事が必要になる場合があります。工事の内容は建物の構造・大きさ・重さや住宅会社によって変わります。地盤調査・補強工事の費用は買主の負担です。
実務の留意点:確認事のため重説のみに記載(特約には入れない)。