期間按分(日割り)とは
固定資産税・都市計画税は、1月1日の所有者に1年分の納税通知書が届きます。売買があった年は、実際には年の途中で持ち主が変わるため、引渡しの日を境に、持っていた期間の日数で税額を分けるのが一般的です。これを期間按分(日割り精算)といいます。法律で決まった手続きではなく、売主と買主が契約書で合意して行うお金のやり取りです。
計算の基本の式
買主の負担額 = 年税額 × 買主が持つ日数 ÷ 年の日数
売主の負担額は、年税額から買主の負担額を引いた残りです。実際には、納税通知書は売主に届き、売主が全額を納めるのが一般的なので、買主が売主へ、買主の負担分を支払う形になります。
計算例1:1月1日起算
年税額が148,000円(固定資産税と都市計画税の合計)、引渡しが2026年10月15日で、引渡日から買主が負担すると決めた場合です。
| 期間 | 日数 | |
|---|---|---|
| 売主 | 1月1日〜10月14日 | 287日 |
| 買主 | 10月15日〜12月31日 | 78日 |
買主が売主へ支払う精算金は、148,000円 × 78日 ÷ 365日 = 31,627.4…円で、円未満を切り捨てると31,627円です。
計算例2:4月1日起算
西日本などでは、4月1日から翌年3月31日までを1年として計算する慣習があります。同じ条件(年税額148,000円、引渡し10月15日、引渡日から買主が負担)で計算します。
| 期間 | 日数 | |
|---|---|---|
| 売主 | 4月1日〜10月14日 | 197日 |
| 買主 | 10月15日〜翌年3月31日 | 168日 |
買主が売主へ支払う精算金は、148,000円 × 168日 ÷ 365日 = 68,120.5…円で、円未満を切り捨てると68,120円です。
同じ年税額でも、起算日が違うと、買主の負担額が大きく変わります。どちらの起算日にするかは、地域の慣習や売買の当事者の合意で決め、必ず契約書に書いておきます。
決めておくことの一覧
- 起算日:1月1日か、4月1日か
- 引渡日の負担:引渡しの当日を、売主と買主のどちらが負担するか
- 日割りの分母:365日か(うるう年は366日か)、対象期間の実日数か
- 端数処理:円未満を、切り捨て・四捨五入・切り上げのどれにするか。計算は一度だけ、最後に行う
- 税額の根拠:納税通知書の税額を使う。まだ届いていない時期は、前年度の税額で仮に精算し、通知が届いたあとで差額を調整するか、あらかじめ決めておく
- 固定資産税と都市計画税:合計した額で計算するか、別々に計算するか
よくある注意点
- マンションや土地の売買では、建物と土地の税額が別々に通知される場合があります。通知書の内訳を確認します。
- 引渡し後に納税通知書が届く場合(年の前半の引渡しなど)は、誰が納付するかによって、お金の流れが変わります。契約書に、納付者と精算の方法を書いておきます。
- 賃貸中の物件では、賃料や管理費も、同じように日割りで分けます。
- 精算金は、売主・買主の間の取り決めで、税金そのものではありません。領収書には「固定資産税等の精算金として」と書きます。
ツールで計算する
「売買精算書・決済金額の計算」では、起算日・引渡日の負担者・端数処理などを選ぶと、日割りの精算金を計算し、売主・買主の受払に整理した精算書を作れます。取引ごとに違う条件は、選ぶまで計算せず「未完成」と表示します。契約書の特約に書いた内容どおりに入力してください。