利回りは「1年で価格の何%を稼ぐか」
収益物件(アパート・マンション・ビルなど)の資料では、必ず利回りが出てきます。物件の価格に対して、1年間でどれくらいの収入が見込めるかを示す割合で、物件を比べるときの最初の物差しになります。
表面利回り
表面利回り = 年間の収入 ÷ 物件価格 × 100
もっとも基本的な利回りです。たとえば、価格1億円の物件で、年間の家賃収入が800万円なら、表面利回りは8.0%です。計算が簡単な反面、管理費や税金などの費用を差し引いていないため、実際に手元に残るお金より大きく見えます。
ここで使う「年間の収入」には、2通りあります。
- 現況の年間収入:いま入居している部屋の家賃(実績・契約中の賃料)から計算した収入
- 満室想定の年間収入:全部の部屋が埋まったと仮定したときの収入
空室が多い物件では、この2つで利回りが大きく違ってきます。資料では、どちらの利回りなのかを必ず確認します。
NOIと実質利回り
NOI(純収益)= 年間の収入 − 運営にかかる費用(運営費)
運営費には、たとえば次のようなものが入ります。
- 管理委託費、共用部の水道光熱費、清掃・設備点検の費用
- 修繕費、火災保険料
- 固定資産税・都市計画税(含める・含めないは資料で確認)
反対に、所得税、借入の返済(元金・利息)、購入時の諸費用、減価償却費は、NOIの計算には入れないのが一般的です。
実質利回り = NOI ÷ 物件価格 × 100(購入時の諸費用を価格に足して計算する資料もあります)
- 利回りの定義は、会社や資料によって少しずつ違います。分母が価格だけか、諸費用を含むかなど、計算の前提を確かめる
- 運営費が未入力、または見積りの費目があるときの実質利回りは、あくまで「参考値」として扱う
- 満室想定の数字は、入居が決まっていない部屋の家賃(想定賃料)を含むため、実際の収入とは違う
区分マンションと、一棟ものの違い
区分マンション(1室だけの投資)の場合は、運営費として、毎月の管理費・修繕積立金が大きな割合を占めます。一棟のアパートやビルでは、これらの代わりに、建物全体の管理費、修繕の積立、固定資産税などを見ます。どちらも、レントロール(部屋ごとの賃料・入居状況の一覧)で、実際の入居状況を確認することが欠かせません。
ツールでの扱い
「物件概要 下書き」の収益物件のモードでは、現況・満室想定それぞれの表面利回り、NOI、実質利回りを自動で計算します。入力が足りない項目は、数字を作らず「算出不可」と表示します。「調査中」と入れた項目に頼る数値は「調査中」と表示し、運営費の一部が未入力のときは「参考値」の印を付けます。計算の前提は、書類の「計算の前提」欄にも書き出されます。