「古家付き土地」の2つの売り方
古い建物が残っている土地は、大きく2つの売り方があります。
- 古家付きのまま(現況渡し):建物が建ったまま売買し、買主が引渡しのあとに解体する
- 更地渡し:売主が引渡しまでに建物を解体して、更地の状態で引き渡す
どちらにするかで、解体の費用と責任の分け方、契約書に書く内容、売買のスケジュールが変わります。
古家付きのまま売る場合
買主が解体する前提なら、建物自体の価値はほとんど見込まれません。そのため、建物に関する契約不適合責任を売主が負わない(免責する)取り決めにすることが多くなります。このとき、買主が「建物は解体して使う予定であること」を理解していることを、契約書に書いておくと分かりやすくなります。
また、建物の中や敷地に家具・家電・庭木・物置などが残っていることがあります(残置物)。売主が引渡しまでに片付けるのか、買主が引き継ぐのか、買主が引き継ぐ場合の処分費用は誰が負うのかを、あらかじめ決めておきます。
更地で引き渡す場合
売主が引渡しまでに解体する場合は、次の点を決めておきます。
- 解体する範囲:建物だけか、基礎・塀・庭木・土間・井戸なども含めるか
- 解体後の整地の状態(砕石を敷く、転圧するなど)
- 解体の期限と、予定どおり終わらなかったときの扱い
- 建物の滅失登記を、誰がいつまでに行うか
登記されている建物を取り壊したときは、その建物の所有者が、取り壊しの日から1か月以内に、建物の滅失の登記を申請しなければならないとされています(不動産登記法57条)。土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。売買では、売主が引渡しまでに行う取り決めにすることが多いです。
固定資産税への影響
建物が建っている住宅用地には、固定資産税などの軽減(住宅用地の特例)が適用されます。建物を取り壊して更地になると、その特例が使えなくなり、翌年度の税額が大きく上がることがあります。固定資産税は毎年1月1日の状況で判断されるため、解体の時期によって、その年の税額が変わる場合もあります。解体と引渡しの時期は、税金の面からも売主・買主で確認しておくとよいでしょう。
下書きツールの使い方
「特約・重説 下書き」の「建物・解体・残置物」の質問では、更地渡し、古家付きのまま(買主が解体)、残置物の扱いなどを選ぶと、特約と重要事項説明書の備考の下書きができます。解体や登記に関する期限は、実際のスケジュールに合わせて書き換えてください。